自宅の敷地やベランダに鳩が巣を作ると、追い払って巣を撤去したくなる人もいるでしょう。しかし、鳩の駆除には法律で細かい規定があり、自己判断で行うと違反になる可能性があります。本記事では、鳩の駆除と法律の関係、さらに業者に依頼するメリットなどについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
鳩の駆除と鳥獣保護法について
自宅の敷地内や玄関、ベランダなどに鳩が巣を作ると、騒音やフンなどの被害に加え、健康被害を受けることもあります。しかし、日本では鳥獣保護法が制定されており、鳩の対策や駆除にも注意が必要です。自己流で駆除を行うと思わぬ法律違反にあたる可能性があるため、鳥獣保護法の内容を正しく理解しておくことが重要です。ここでは、鳩の駆除と鳥獣保護法の関係について詳しく解説します。
鳥獣保護法と鳥獣保護管理法の基本
鳥獣保護法は、鳩をはじめとする野生の鳥類や哺乳類の駆除に関する基本的な規制を定めた法律です。この法律では、対象の鳥類や哺乳類を許可なく捕獲したり駆除したりすることを禁止しており、鳩を傷つけたり殺したりする行為も制限されています。一方、鳥獣保護管理法は鳥獣保護法の改正を受けて制定された法律で、正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」です。改正後の法律では、従来の保護に加えて管理に関する規定も盛り込まれています。
具体的には、鳥獣の保護・管理事業の実施、猟具使用の危険予防と狩猟の適正化、生物多様性の確保、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保などが目的とされています。
鳥獣保護法と鳩の駆除の関連
鳥獣保護法の対象には鳩も含まれるため、許可なく鳩を駆除する行為は法律違反に該当する可能性があります。法律では、鳥獣やその卵を捕獲・採取・損傷することを禁止しています。たとえ鳩が自宅内に巣を作りフンなどの被害があった場合でも、自己判断で捕獲や駆除を行うと、罰金や懲役の対象になることがあります。
鳩駆除には申請手続きが必要
鳩を駆除する場合は、自己判断で行わず、事前に自治体で申請手続きを行う必要があります。この手続きは、鳩や巣、卵を捕獲・移動・駆除する際に求められるもので、各市町村の役場で行います。駆除の許可を得る際には、専用の申請書に駆除の目的や方法、場所などを記入して提出します。許可は申請書提出だけで自動的に下りるわけではなく、審査を経て許可されるかどうかが決まるため、駆除までに時間がかかる場合もあります。
また、許可を得て駆除を実施した場合は、作業内容の報告を求められることもあります。
鳥獣保護法違反にならない駆除の方法
鳩の駆除には特別な資格は不要で、鳩に直接危害を加えない方法であれば誰でも行うことが可能です。ただし、鳩を捕獲したり、特殊な方法で駆除したりする場合には資格や免許が必要になることもあるため注意が必要です。ここでは、資格なしで行え、法律違反にならない駆除方法について解説します。
鳩を寄せ付けないための対策がおすすめ
鳩に直接危害を加える方法は法律違反となる可能性が高いため、自力で駆除する場合は鳩を寄せ付けない対策を行うのが安全です。具体的には、専用の忌避剤を使用したり、鳩の侵入を防ぐネットを設置したりする方法があります。また、鳩は縄張り意識が強いため、フンや羽毛をこまめに掃除することで居心地の悪い環境を作ることも有効です。
鳩の巣の撤去に関する注意点
自宅の敷地内に鳩の巣がある場合は、巣の中を確認してから撤去作業を進めることが重要です。巣の中にひなや卵がある場合、無許可で撤去すると法律違反になります。ひなや卵がない場合は、巣を撤去しても問題ありません。巣を触る際には、病原菌や寄生虫への対策としてゴム手袋やマスクを着用し、長袖・長ズボンで作業することが望ましいです。
さらに、鳩は縄張り意識が強いため、巣を撤去しても再度巣を作りに来る可能性があります。そのため、忌避剤やネットを併用して再発防止対策を行うことが重要です。
鳩の駆除業者に依頼するメリット・デメリット
自身で鳩の駆除が難しい場合や、できる範囲で対策を行ったものの十分な効果が得られなかった場合は、専門業者に駆除を依頼するのがおすすめです。業者への依頼にはメリットとデメリットがあるため、両方を理解した上で検討することが重要です。ここでは、専門業者に駆除を任せる際のポイントを詳しく解説します。
鳩の駆除を業者に依頼することのメリット
鳩は縄張り意識が強く、一度巣を作った場所に戻る傾向があります。そのため、自分で巣を撤去しても再び巣を作られるケースが多く、自己駆除では完全に問題を解決できないことがあります。専門業者に依頼すれば、プロの知識や経験を活かして、鳩の習性に沿った効果的な駆除が可能です。これにより、被害を短期間で解消できるだけでなく、精神的な負担も大きく軽減されます。
また、鳩の駆除には鳥獣保護法をはじめとする法律の制約があり、自己判断での駆除は違反となる場合があります。専門業者は法律を熟知しており、安全かつ適切に駆除を行える点も大きなメリットです。
加えて、駆除後の再発防止策や巣作り防止の施工まで含めて提案してくれる業者も多く、長期的な効果を期待できます。
鳩の駆除を業者に依頼することのデメリット
専門業者に依頼すると、当然コストがかかります。自力で駆除する場合と比べると初期費用は高くなる傾向があります。また、一度の作業だけでは完全に駆除できず、複数回の対応が必要となるケースもあります。しかし、自分で駆除する場合も道具や材料の購入費、労力や時間が必要となり、繰り返し作業する可能性があります。
そのため、長期的に考えると費用対効果の面で専門業者に依頼するほうが効率的です。さらに、業者に依頼すれば高所作業や糞や病原菌への接触リスクも減らせるため、安全面のメリットも大きいといえます。
駆除業者を選ぶ際のポイント
鳩の駆除業者を選ぶ際には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。ここでは、業者選びで重要なポイントを詳しく解説します。これまでの駆除実績を確認する
鳥獣駆除を専門とする業者は多数ありますが、それぞれ得意とする分野が異なります。依頼する際は、鳩の駆除実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。ホームページで駆除事例を確認し、さまざまな状況に対応できるスキルがあるかをチェックしましょう。実績のある業者は、一度の駆除で効果を得られる可能性が高く、繰り返し依頼による余計な費用を防ぐこともできます。
口コミをチェックする
業者を選ぶ際は、実際に利用した人の口コミを確認することも有効です。インターネットの口コミサイトや業者の公式サイトに掲載されているお客さんの声を参考にしましょう。また、知人や身内で鳩の駆除を依頼した経験がある人がいれば、具体的な体験談を聞くことも役立ちます。
駆除内容や契約内容を確認する
業者がどのように鳩を駆除するか、駆除後のメンテナンスやアフターケアがあるか、再発防止策が取られているかなど、具体的なサービス内容を確認しましょう。作業の一部を追加料金のオプションとしている業者もあるため、契約前にしっかりチェックすることが重要です。保証内容も業者によって異なるため、手厚い保証がある業者を選ぶと安心です。
複数の業者を比較する
駆除業者を選ぶ際は、最初から一社に絞らず、複数の業者で相見積もりを取ることが大切です。料金やサービス内容、保証、スタッフの対応などを比較して慎重に検討することで、費用対効果が高く、最適な方法での駆除を実現できます。
